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吐泥(へろど)35

2013/06/13 Thu 00:01

 それまで窓の下の国道からひっきりなしに響いてきたトラックの騒音は、気がつくと断続的に変わっていた。いつしかアダルトビデオも終了し、その画面には、『引き続き視聴される場合は有料ボタンを押してください』というテロップだけが映し出されていた。
 時刻は十一時四十分を回ったところだった。
 念願のサウナ潜入まで、残すところあと二十分だった。

 M字開脚で椅子に拘束されていた妻は、身動きできない状態のままクリトリスをローターで刺激されていた。

ウツボ165

 しかし、妻のそのクリトリスは、普通の状態ではなかった。連続のオナニーによって、もはや敏感過ぎるほどに敏感になっていたそれは、ほんの少し指先で触れただけでも、まるで電流を流されたかのように全身をビクンと跳ね上げるほどだった。
 そんな一触即発なクリトリスをローターで刺激するというのは、火傷に唐辛子を塗り込むくらいに危険な行為だった。事実、今の妻の状態は、ローターで快楽を得ているというよりも、ローターによって気が狂ってしまったと言っても過言ではなく、その狂気を満ちた乱れ方は、寺山修司の映画に匹敵するくらい猟奇的なものであった。

 一度止めていたスイッチを再び入れると、妻は、それまでぐったりと項垂れていた顔をいきなりガバッと上げた。そして、生気を無くした虚ろな目で私を見つめ、今にも泣き出さんばかりの表情で「いやいやいやいや」と言いながら、激しく首を左右に振った。
 私はそんな妻に微笑んだ。「この一線を超えれば天国だよ」と優しく囁きながら、そのスイッチを『弱』から『強』に変えた。
 振動音が激しくなると同時に、今まで「いやいや」と言っていた言葉が「ひぃぃぃぃ」という悲鳴に変わり、歌舞伎の鏡獅子のように髪を振り乱し始めた。
 乱舞する髪から垣間見える妻のその顔は、久本雅美が若い頃にやっていた『オカルト二人羽織』のように白目を剥いていた。そしてオペラ歌手のように「あああああああああああああああああ」と叫びだすと、そのローターが押し付けられた割れ目の先からは、生温かい尿がドボドボっと溢れ出した。

ウツボ166

 それは、三度目の失禁だった。
 一度目は勢いよく噴射した。イクと同時にシャーっと噴き出し、私の胸や腹に当たっては床をベシャベシャに濡らした。
 二度目はピュッと飛び出した。「あん! あん!」と喘ぐ声に連動しながら、ピュッ! ピュッ! と断続的に飛び出すそれは、量は少ないが勢いは水鉄砲なみだった。
 そして三度目。さすがに三度目になると勢いはなく、量も少なかった。匂いもなければ色も薄く、まるで公園の水飲み場の蛇口を捻ったかのように、ドボドボと溢れる感じだった。
 しかし、失禁の具合は弱々しくとも、絶頂の度合いは凄まじかった。
 まるで、それ専用の薬物を打たれたかのようなトランス状態に陥っていた妻は、チェアーに拘束された身体をビクンビクンっと激しく痙攣させ、身体中からは、汗、涎、尿、涙、愛液といったあらゆる汁を噴き出しながら狂ったように悶えていた。
 もはや妻は一線を超えていた。超敏感となったクリトリスを連続して刺激されることで感情のコントロールができなくなってしまった妻は、正常のボーダーラインを超えて異常の枠に達してしまっていたのだった。
 頃合いだった。今のこの状態ならサウナに連行できるはずだ。
 そう確信した私は、ハァハァと荒い息を吐きながらぐったりと項垂れている妻の顔をソッと覗き込み、両手足を固定している浴衣の帯をスルスルと外し始めた。
 帯が外れると、M字に固定されていた両脚がだらりと垂れた。力の抜けた妻は、チェアーの上でぐったりとしながら、波に打ち上げられたクラゲのように緩んでいた。
 そんな妻を正面から抱きかかえ、その耳元に「ベッドに行こう」と囁いた。妻はフラフラしながらもなんとか立ち上がり、私の肩に弱々しくしがみつきながら、「もう無理……頭がおかしくなっちゃう……」と呟いた。
 そんな妻をベッドにドンっと突き飛ばした。ベッドの上にドサっと尻餅をついた妻に、熱り勃つ肉棒を見せつけながら、「おかしくなったっていいじゃないか」と笑った。
 その肉棒を目の前に突きつけられた瞬間、それまでふわふわと浮遊していた妻の視線が固まった。

(十五回……)

 私はそう頭の中で呟きながら、力の抜けた妻の両足首を掴んだ。そしてその両足を妻の両耳元まで持ち上げ、オムツを取り替える赤ちゃんのように妻の股を大きく開いた。

「もうダメ……」

 妻は弱々しくそう呟くと、パーに開いた手の平を股間に当て、そのパックリと開いた陰部に蓋をした。
 しかし、そんな妻の表情は、確実にアッチの世界の住人だった。もはや異常性欲という化け物に取り憑かれてしまった妻は、その髪の毛一本に至るまで性感帯と化しているはずであり、今、この肉棒をそこに入れたくないわけがないのだ。
 そう確信していた私は、敢えてその手を強制的に取り払うことはしなかった。その蓋は、妻が自主的に開けなければ意味がなく、だから私は妻の股間でゆっくりと腰を動かしながら、妻の手の甲に亀頭をツンツンと押し付けていた。
(十五回だけ……十五回だけ……)と自分に言い聞かせながら根気よくそれを続けていると、次第に妻の指が緩んできた。人差し指と中指の間に微かな隙間ができ、そこから真っ赤に濡れ輝いた粘膜がチラチラと見えていた。
 そこを突破口にしようと決め、その隙間に亀頭を捩じ込もうとした。すると、不意に妻の指がすんなりと開いた。その指の隙間には、穴から溢れ出た潤滑油がヌルヌルしていたため、勢い余った私の肉棒は、いとも簡単にその穴の中にツルンっと滑り込んで行ったのだった。

ウツボ167

 肉棒が入った瞬間、妻は「ハァァァァァァァァァ」と大きく息を吸った。
 そんな妻をゾクゾクした目で見下ろしながら、ゆっくりと肉棒を根元まで突き刺した。

(十五回だぞ……十五回だけだぞ……)

 そう頭の中で呟きながら、根元まで突き刺さった肉棒をグリグリと回転させていると、妻は必死な形相で私を見つめながら、「動かして! 滅茶苦茶にピストンして!」と叫んだ。
 もちろんそうしたかった。異常性欲者と化した妻の淫らな穴の中を、狂ったように突きまくり、彼女の肉体、脳、精神の全てを滅茶苦茶にしてやりたかった。
 しかし、それはできなかった。
 時刻は既に十一時五十分を過ぎていた。あと十分もすれば、この妻の肉体は、他人男たちのものになるのである。
 今ここで、強烈なピストンを加え、妻の中に溜まっている異常性なマグマを噴火させてしまうわけにはいかなかった。
 だから十五回だった。十五回だけピストンしようと決めていた。十五回だけなら噴火する事はなく、逆にそれは刺激となるであろう。その刺激によってマグマは更に巨大化し、サウナで見知らぬ男たちに陵辱された時には、きっと凄まじい大噴火を遂げるに違いないのだ。
 そう信じていた私は、妻の両足を両腕に引っ掛け、くの字に折り曲がった妻の体をがっしりと抱え込むと、肺一杯に息を吸い込んだ。そしてそのまま妻のうなじに顔を埋め、ゆっくりと息を吐き出しながら、一気に(12345——)と、連続十五回のピストンを喰らわせてやったのだった。

ウツボ168

 容赦なくズボズボと繰り返されるピストンに、妻は首に青筋を立てながら「ああああああああああああああああ」と喚き出したが、しかし無情にもそのピストンは、わずか十五回で終わってしまった。
 急いで抜くと、ドロドロの汁を滴らせたペニスが、私の下腹部でピコンっと飛び跳ねた。
 妻が「どうして!」と叫んだ。
 私は無言で妻の細い腕を引き、妻をベッドの下に立ち上がらせると、そのまま浴室へと連行した。
「何をするの?」と、眉を八の字に下げながら脅えている妻を浴槽に立たせた。勢いよくシャワーを捻ると、シャャャャャャッと噴き出した湯が妻の太ももで水銀のように弾けた。

「天国に行こう。だからシャワーで綺麗にお清めしよう」

 そう微笑みながら、背後から妻の細い肩にシャワーを掛けた。妻は「意味がわかんない」と言いながら後ろに振り向こうとしたが、私はそんな妻の背中をゆっくりと押し、バスタブの縁に両手をつかせると、その丸い尻肉の谷間に肉棒を押し付けた。

「何も心配しなくていい。キミは黙ってればいいんだ。黙って私の指示に従ってれば天国に行けるんだ……」

 妻の背中にそう囁きながらも、私は再び頭の中で(十五回だけ……十五回だけ……)と呟いた。
 ここでトランス状態が覚めてしまっては元も子もなかった。だから再び十五回の気合を注入しなければならないのだ。
 私はそのダラダラに緩んだワレメに亀頭をヌルッと差し込んだ。そのままシャワーを妻の股間に向けると、剥き出したクリトリスを水圧で刺激した。

「お願いだからそこはやめて! もう本当に無理だから!」

 妻はそう叫びながら腰をカクンっと落とした。すると、それと同時に肉棒が穴の中にツルンっと滑り込み、思わず私は慌てて腰を引いてしまった。
 これで、その貴重な十五回の一回を、早くも使ってしまった。

ウツボ169

 いよいよ、それを妻に告げる時が来た。既に時刻は十二時を回っており、もはや猶予はなかった。
 しかし、事は慎重に進めなければならなかった。ここで妻に拒否されたら、この作戦は失敗に終わってしまうのだ。
 私は、突き出た尻を両手で固定しながら、ゆっくりゆっくりペニスを前に進ませた。ヌルヌルした穴の中は滑りが良く、すぐに膣壁に到着してしまった。
 ペニスを根元まで突き刺したまま手を伸ばし、そこにタプタプと垂れている乳を手の平の上に乗せた。まるで生卵を扱うように、優しくそれを手の平の上でタポタポさせながら、妻の背中に「動かして欲しいか?」と聞いた。
 バスタブの縁に両手をついていた妻は、尻を突き出しながら首をガックリと項垂らせていた。その体勢で暫く黙っていた妻だったが、しかし私が膣壁を亀頭でツンツンしながら催促すると、妻は無言でコクンっと頷いた。

(234!)

 そう頭の中で数えながら、一気に、パン! パン! パン! と三ピストンしてやると、それまでぐったりしていた妻の身体は、たちまち水を得た魚のように跳ね上がった。
「ああああ」と妻が喘ぎ始めた頃、再びピストンを止め、前屈みになっていた妻の上半身を素早く起こした。背中をがっしりと抱きしめながら、根元まで挿した肉棒をグリグリと回し、そのヘドロが溜まった淫らな穴を掻き回してやった。因みに、グリグリするのはカウントには入らない。
 そうしながら、タプタプと揺れる乳を優しく揉んだ。肩、うなじ、顎、に唇を滑らせながら、ゆっくりゆっくり五回目のピストンをしてやると、ようやく妻の体に『氣』が漲ってきた。

ウツボ170

 ハァハァと荒い息を吐きながら絡んでくる妻に、「さっき……タクシーの運転手の肛門を舐めてただろ……」と聞いた。
 妻はそれを無視し、早く動かしてと言わんばかりに自ら尻をコキコキと振り始めた。
 私は慌ててペニスを抜いた。そして素早くヘソに手を回し、そこから股間に滑り降りては、陰毛の中を指で弄った。
 もずくのようにヌルヌルした陰毛の中に、コリコリとした大きな陰核を発見した私は、それを指で転がしながら、「チンカスだらけの店員のチンポも平気でしゃぶってたよね」と耳元に囁いた。
 クリトリスを責められた妻は、立ったままの腰をコクンコクンと跳ね上げながら、「そこはイヤ」と、必死に私の指から逃れようとしていた。
 そこで私は一気に腰を突き上げ、おもいきりペニスを根元まで突き刺してやった。
 パン! と鳴り響いた六回目のピストンは強烈だった。妻の尻肉が歪むほどの一撃であり、それをいきなり、ズン! と喰らった妻は、爪先を立てながら「ひぃぃぃぃ」と悲鳴を上げた。

「どの舌でペロペロしてたんだ、ほら、その汚い舌を出してみろ」

 そう言いながらゆっくりとペニスを引いた。
 妻は狂乱したかのように「もっと動かして!」と叫んだ。
 ベロベロの小陰唇がギラギラと輝く穴の中に、亀頭だけをヌポッと突き刺した。そして妻の髪を鷲掴みにし、その顔を後ろに向けながら「入れてやるから舌を出せ……見ず知らず親父の肛門を舐めてた舌を見せてみろ」と言うと、妻はヘロヘロになった目で私を見つめながら、舌をゆっくりと突き出した。
 その舌を舐めた。ソフトクリームを舐めるようにして、そのタクシーの運転手や喫茶店の青年の汚いものを舐めていた不浄な舌をベロベロと舐めてやった。
 
ウツボ171

 生温かい二枚の物体がヌルヌルと絡み合った。
 ベプ、ベプ、っという湿った音が浴室に響き、そこに私の荒い息遣いと、妻の「んんん……」という唸りが混じった。
 私は妻の口内に舌を滑り込ませた。妻はその舌を必死に吸いながら、グルグルと回転させた。
 そんな濃厚なディープキスをしながら、私が乳房を揉みしだき始めると、妻は突然「んんん」と顔を背けながら私の舌を口内から追い出し、悲痛な声で、「動かして、動かして」と二回言った。
 ズン! と七回目のピストンを与えながら、再び妻の体を前屈みにさせた。
 妻はバスタブの縁に両手をつきながら、黙って尻を突き出した。そんな妻の右手を、壁に固定されていたステンレス製のパイプに持って行き、「ちゃんと捕まってろよ」と、それを強く握らせた。
 プルンっと突き出された尻の、片方の尻肉を押し広げた。どす黒い小陰唇が糸を引きながらネチャッと開き、ズッポリと肉棒が突き刺さった卑猥な結合部分が剥き出しになった。
 そこを覗き込みながらゆっくりと腰を回転させ、ヌルヌルの肉壷をグチョグチョと掻き回した。

「滅茶苦茶に犯して欲しいか?」

 そう聞くと、妻は左足をバスタブの縁に乗せた。そして、より深く肉棒が挿入するようにと腰をしならせながら、震える声で「滅茶苦茶にして……」と呟いたのだった。

ウツボ172

 片方の尻肉を押し開いたまま、(789!)と三回ピストンしてやった。妻は、ふしだらな乳肉をタプタプと揺らしながら歓びの悲鳴をあげ、汁が溢れる穴からブチョブチョと卑猥な音を鳴らした。
 しかし私は、再びその腰を止めた。
 すると妻は「お願い!」と、気が狂わんばかりの声で叫んだ。妻のその形相は、まさに古い東映映画に出てくる禁断症状に狂ったシャブ中女のようであり、それを目にした私は、いかにこの時間差ピストン攻撃が効いているかを実感した。
 私は、パンパンに腫れ上がった亀頭を、ダラダラに緩んだ膣口にヌルヌルと滑らせた。そうしながら、「心配するな。今から面白い所に行って、好きなだけペニスをくれてやる……」と、妻の背中に囁いた。
 妻はハァハァと肩を揺らしながら振り向き、不安げに私を見上げた。そんな妻が、「どこに……行くの……」と聞いてきた瞬間、残り六回のピストンを一気に喰らわせてやった。
 パンパンパンパンっという乾いた音と共に、妻が獣の如く「あっあっあっあっあっ!」と声を上げた。
 最後のピストンで子宮口をドン! と突き、そのまま一気にペニスを抜くと、「黙ってついて来ればいい」と言いながら、私は素早く浴槽を出た。
 ステンレスのパイプに掴まったまま、ハァハァと荒い息を吐いていた妻は、呆然とした表情で私を見つめていた。
 肉棒が抜かれてすぐの膣は、ぽっかりと口を開いたまま淫らな涎を垂らし、ギトギトとアグレッシブに輝いていた。
 その涎は、限りなくヘドロに近い異常性欲者の慾望汁だった。
 これでこの女をあの魔窟に連れ込むことができる。そう確信した私は、サディスティックな笑みを浮かべながら浴室を出たのだった。

(つづく)

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