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裸のOL1




「なんで裸なんだ! おまえ! なんで裸なんだ!」

 推定90キロはあろうかと思える大きな男でした。
 その男は地黒なのでしょうか異様に顔が黒く、私ははじめ、通路の向こうからいきなり追いかけて来たこの男を見た時、東南アジア系の外国人かと思ったくらい、そのくらいその男は日本人離れをした顔色と体格でございました。
 そんな男は、深夜の市民文化会館を全裸で逃げまとう私を、ガードマンの制服をカチャカチャと音立ててはキラキラと懐中電灯を振り回しながら追いかけて来ました。まるで軍隊のようなブーツのゴム底の重たい足音は、慌てて逃げ出す私を恐怖のどん底に突き落としました。
 たった数メートル逃げただけの私は、公衆電話の隣にあるシャッターの閉まった売店らしき小屋の前で、その男におもいきり突き飛ばされ、いとも簡単に冷たいタイル床の上に捩じ伏せられてしまったのでした。

「あんた、こんなとこで何してんだ!ここは夜間の立ち入りは禁止だってことわかってるんだろ!」

 冷たいタイル床に腹這いに押さえ込まれた私の首の後を、その男はまるでゴリラのような大きな手でガシッと鷲掴みしながら、びっくりするような大きな声でそう叫びます。ストレートの長い黒髪を振り乱しながら、両手両足をバタバタと暴れさせていた私は、今の自分はきっとアマゾンの泥川で地元の名人に取り押さえられては必死にもがいているワニのようだろうとふとそう思いました。
 男はそんな私の首の後を押えたまま体をゆっくりと移動させ、私の顔にイノシシほどの大きさはあろうかと思われる丸々と太った筋肉質な太ももを押し付けると、私の頭部を膝でグッと固定しました。
 小さな砂がジャリジャリとしているタイル床に頬を押し潰された私の顔を、男は強烈な光を発する懐中電灯で照らしながら「おまえ1人か!」と威圧的に叫びました。
 私は暴れるのをやめ、ジッと黙ったまま目の前にある男のブーツの分厚いゴム底を見つめていました。

「なんで裸なんだ!おまえ、なんで裸なんだ!」

 そう叫びながら私の顔を覗き込む男のその息は、きっと奥歯の歯茎がジクジクと膿んでいるのでしょう、なにやら魚が腐ったような酷いニオイを含んでおりました。
 男はかなり興奮しているらしく、その大きな膝で私の頬を力任せに押し潰しながら「仲間はどこだ!男はどこに逃げた!」と狂ったように喚き散らし、時折警戒するかのように辺りを懐中電灯でサッ!サッ!と照らしております。
 それでも私は貝のようにジッと押し黙ったまま、目の前の男のブーツのゴム底が床の砂と擦れ合うジャリジャリとした音を聞いていたのでした。

 しばらくの間、男はそうやって私を床に押さえつけたままハァハァと荒い呼吸を整えておりました。そして男はやっと落ち着いたのか、妙に静かな口調で私にこう言いました。

「おまえ、キチガイか?」

 キチガイ。
 気が狂っているか気が狂っていないかと問われれば、当然、深夜の市民文化会館を1人全裸で徘徊していた私は気が狂っている部類に入るでしょう、誰が見たって一目瞭然です。
 そんな私に向かってわざわざキチガイか?と尋問するこの男は、そう言ってしまってからその尋問が愚問だったと気付いたのか、「キチガイだろうな……」っと自分で納得し、そしてやっと私の顔からそのイノシシのように大きな太ももをソッと外したのでした。

 そんな男の懐中電灯の灯りは、留め金をカチカチと鳴らしながら上下に移動し、その光は床でうつ伏せになっている私の背中から足の裏までを何度も何度も往復していました。
 私のアソコは既にヌルヌルとしております。それを男に悟られないよう私は尻の肉をギュッと閉じては中心部を隠します。
 私の身体中を這い回っていた懐中電灯の光が私の尻でピタリと止まりました。男はキュッと閉じた私の尻肉の隙間を覗き込むように体を前のめりにさせています。
 濡れているのがバレのかも知れない……そう思いながら私が熱い吐息を砂埃の床に吐いていると、急に男は握っていた私の手首を持ち上げながら、「起きろ……」っと低い声で呟いたのでした。

 私は男に言われるまま、握られていない右手を床に付きながらゆっくりと体を起こしました。その場にペタリと正座すると、市民文化会館の玄関にある大きな窓ガラスから青い月の灯りが私の体を照らしました。私は乳房や腹にめり込んでいる無数の小石を指でひとつひとつ摘んでは投げ摘んでは投げと繰り返していると、男はそんな私の真正面に静かにしゃがみ込み、「こうやって払い落とせばいいんだよ」と、アニメに出てくる妖怪のように声を震わせながら呟き、そして私の乳房に手の平をあててはゴリラのようなその大きな手の平をザラザラと上下に動かしたのでした。
 そんな男の手の平はジットリと汗ばんでいました。ゴワゴワとした厚い皮をしたその手の平は、じっとりと汗ばみながらも私の乳房や腹にめり込む小石を払い取り、そしてそれらの小石がパラパラと落ちる私の太ももにまでその大きな手を移動させました。
 男は私の太ももの小石を払い除ける時、わざと正座している私の太ももに懐中電灯の灯りを向けました。どうしてそれがわざとなのかが私にわかるかと申しますと、男が向けたその懐中電灯の灯りは、私の股間、即ち、正座する太ももの隙間からヘソに向かって溢れ出る陰毛部分ばかりをジッと照らしたままにしていたからです。しかも太ももをサラサラと撫で回すその手は、小指だけが妙に歪に伸ばされており、そんな小指の先は私のヘソの下にある溢れた陰毛をわざとらしくコショコショとくすぐっていたからです。

「おまえ、どうして裸でこんな所にいたんだ?……」

 男はそう言いながら、太ももを擦っていた手を、閉じた太ももの隙間にジワジワと押し込んできました。
 私は無言のまま俯き、こじ開けられようとしている太ももを見つめながら必死になって太ももに力を込めます。

「しかもこんな夜中に、1人で裸でなにしてたんだ?……ん?……」

 男は恐ろしい力で私の太ももをこじ開けました。そしてそのゴリラのような太い指をまるで尺取り虫が這うかのように間接を動かしながら、圧迫された太ももの中をカクカクと性器に向かって進ませて来ます。

「やめて下さい……」

 恐怖のあまりに思わず声を上げてしまった私は、正座したまま御辞儀をするかのように体を丸めて男の指から股間を防御しますが、しかし男は、そんな私の肩を掴んでは前屈みになっている体を凄い力で押し開きます。
 男の芋虫のような太い指が私の陰毛の中にジリジリと侵入して来ました。男は、正座する私が前屈みできないように私の肩を左手で押えながら右手で私の性器に触れました。
 男の指は皮がガサガサとしてまるで蛇のウロコのようでした。そんな指は「穴」を探そうと必死に動き回り、伸びた爪の先が大陰唇にめり込みます。
 その間、私も男も無言でした。静まり返った深夜の市民文化会館のフロアには、売店の横にポツンと置いてある自販機が時折「ブオォン……」っと振動音を響かせているだけです。
 正座している私の股間に蠢いていた男の指が、やっと目当ての「穴」を捉えました。穴を見つけるや否や、そのカサカサに乾いた指は水を得た魚の如く穴の中を縦横無尽に泳ぎ始めました。
 恥ずかしさのあまりに俯いていた私がギュッと下唇を噛むと、男は私の耳元に「濡れてるぞ」と囁き掛けました。
 男のその口調は、隠していた物をやっと発見したかのような自信が漲っていました。そんな男の声に羞恥心を酷くくすぐられた私が体を震わせながら「ごめんなさい……」っと小さく呟くと、男はそのまま私の腕を強く引っ張っては私を売店横の影に引きずり込み、まるで子猫を虐待するかのように私を犯したのでした。

(つづく)

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